「幽霊って…
そんなにつらいのか…?」
優しい声で耳元でささやく。
「あー、つらい」
「なんだ死ぬのヤダな」
「生きるんだろ?」
私は顔を上げて
巧をじっと見る。
「自殺なんてバカみたいな
ことせずに生きるんだろ?
ハゲアタマ」
「ハゲてねぇよ」
私は涙を拭いた。
なんかすんげースッキリ。
「あ~つかれた」
「なんなんだよこの幽霊」
「うっさい妄想壁」
「言いたい放題だな」
ハハッと大きな口で
笑いやがる。
「幸子、感謝してる」
「私は何もしてない」
「まっ、そうだが」
私は伸びをしてから
ベッドから立つ。
そろそろ帰るか。



