それなのに 死んだ今 なぜ思うのだろう。 失ってから 気づくって こういうものなのか? いや…違う。 今までの男じゃ ダメなんだ。 今…こいつの ぬくもりを感じたい…。 「―俺、生きるわ」 抱きしめながら 彼はぽつりと言った。 「自分から死ぬなんてせず どうせ死ぬなら生きてやりゃぁ」 「あっそ」 「そっけねぇな。 そんなに死んでほしいのか?」 「……」 「悪いがまだお前の仲間に なるつもりはねぇぞ。」 「こっちこそ願い下げだ」 「相変わらず生意気だな」 フッと彼は笑う。