「なんでそんなこと…」 「私の息子なの」 「出来の悪い息子でごめんね」と 微笑みながら言っていた。 「会いに行かなくていいの?」 「自分の発明家という夢で 逃亡した父親が今さら幽霊として 出ていけないのよ」 「そっか」 私はブルーホールのほうへ 顔を向ける。 そろそろ出発だ。 「息子によろしくね」 「いやだ」 ブルーホールへ飛び込む。 なんだかサユリさんが カッコ良く見えて 腹が立った。