案の定、事務所には社長が
待ちかまえていた。
本棚のほうにはサユリさんもいる。
いつものよう挨拶してくれたが
なんだかサユリさんは元気が無かった。
「お前の聞きたい事は
知っているぞ。
さっきアキラも
ここを訪ねたからな」
「じゃあ教えて。
研修なんて受けた
覚えないんだけど?」
「今が研修だ」
信長はきっぱりと
言いやがった。
「幸子、お前が
この“お助け隊”に
選ばれた理由は分かるか?」
私は首を横に振る。
理由なんて無く
抽選で選ばれる
もんじゃないのか。
疑問に思う私に気付いたのか
信長はニヤリと金歯を見せる。



