「情けない男」 「なんか言ったか?」 「自殺もできないなんて バッカじゃないの?」 「うっせぇーな。 そのうち死んでやらぁ」 ふんっと彼は鼻を鳴らす。 「しっかし、俺もとうとう 死神を見れるとは… マジで末期か。」 「ご愁傷様」 「まだ死んでねぇよ!」 声を荒げる彼はとても 患者らしくない。 サラさんはこんな人にも 媚を売っていたのだろうか。 「ッチ。まだやりてぇ事は 山ほどあったのに。」 「たとえば?」 「セックスしてぇ。 童貞のまま死ねるか」 「はんっ」 私は鼻で笑った。