僕はその作業員に、古い病舎に帰りたいという旨を伝えた。


作業は、丁度ドアのモーターやら何やらの部品を解体しおえたところの様で、


作業員はさも申し訳ないという顔で僕の肩に手を回し、


「ごめんなぁボク……今ここ通られへんねゎ……地下のエレベーター周って帰ってくれへん?悪いなぁ……」







僕は、古くなってしまった蛍光灯の、


少し黄ばみ掛かった湿っぽい光の漂う通路にある、


あの薄気魅の悪い死体安置室の前を








通らねばならなくなった。