「カイリの腕は、アートだね
 
 今度は、思いきって
 背中も見せちゃう?」

「見せねえよ
 
 こんなもん、人に見せて
 喜ぶもんじゃねえ

 ほらっ、ヒロが来たぞ」

事務所のドアから、手を
振りながら走って出てくる
茉優。

「アイ、カイリ、ごめん
 待ったぁ
 
 カイリ、久しぶりだね
 金髪、似合ってる」

「そうか、ありがとう
 
 さあ、乗れよ
 
 時間ねえぞ」

三人を乗せて走り出す車・・・

「ヒロ、どう、気持ち
 ・・・
 少しは落ち着いた?」

「うん
 
 あの時、あの場所で彼に
 偶然出会えたように
 
 いつか必ず、何処かで
 もう一度会える
 
 そう思えたら
 心が少し軽くなったよ

 それは、いつかは
 分からないけど・・・」