桜りっぷ

『待っててよ』

俺は、お前を待ってる・・・

だから、セキ、心配すんなよ

白い車の傍・・・

太陽の光を受けて輝く金色の
髪を右手で後ろに掻き揚げ
浬は、看板を見上げた。

「カイリ、待ったぁ
 
 お待たせ・・・」

藍は、浬の右腕に纏わりつく

「ねえ、まだ打ち合わせまで
 時間あるよね?

 ヒロがもうすぐ出てくるから
 三人で少しだけ
 お茶してもいいよね?」

車に、もたれる浬の隣で
藍も同じように、もたれた。

「ああ、そうしよう
 
 藍、あれ
 いい感じじゃん」

広告の看板を指差す、浬。

「まさか、あの腕が
 浬の右腕だなんて
 誰も分からないよね?
 
 合成ってすごいね・・・」

「家で取った写真が
 こんな風になるとはな」