桜りっぷ

「お前ら下がってろ?」

清水は、ゆっくりと席を立つ

「確か、お前
 一年のタカツキカイリ」

辺りがざわつく・・・

「清水
 ちょっと顔かせや」

「クニさん、マサさんが
 いないのにいいんすか?」

「ああ、遣るなら
 早く遣ろう」

喧嘩は始まり、教室の
あらゆる物が飛び交い
窓ガラスは割れる。

二人は、一歩も譲らず
殴っては殴られてを
繰り返して、殴りあい
傷つけあう。

兄が、二年を取り仕切るだけ
あって、弟もなかなかの凄腕

強い相手に出会って浬の頬は
微かに緩んだ。

今なら、自分の精一杯の力を
試す事ができる。