桜りっぷ

弦を椅子に座らせて話を聞いた
ところ、遊んだ女達は同じ学校
の二年を取り仕切っている男の
女とそのダチで

昨日の待ち合わせの場所には
男とその仲間を引き連れて
女がやって来たらしい。
 
「その男の話では、何でも
 一年を、自分の弟に
 仕切らせたいらしい

 兄弟で、学校を仕切るのが
 夢だとか何とかほざいて
 
 たった一人の俺に、手下
 十人だぜ
 
 勝てるわけねえし・・・
 
 それで、この様だ・・・
 
 笑える話だよな」

そう言って、傷ついた口元で
笑ってみせる弦を見つめる浬

「笑えねえよ」

その顔色が、見る見るうちに
険しさを増す。

「カイリ、何考えてる
 今は止めろ
 俺が動けるようになるまで
 待てよ」

「そんなの待ってられるかよ」

浬は、慌てて玄関へ向かい
靴を履きドアに手をかけた。