桜りっぷ

「大変です・・・
 毎日、忍耐との戦いです

 あの広告、一枚の為に
 同じ体勢を保持して
 カメラの前に立ち続けたり

 凍えるような寒空に
 夏服を着て笑っていたり

 撮影中にふと、自分が
 人形ならいいのに
 そう思う事も今までに
 多々ありました
 
 でも、同じ生身の人間だから
 こそ、たった一枚の写真から
 でも伝えられる事は多く
 
 見る側の人に商品の善さなど
 ちゃんと伝わるんだと
 思います」

真剣に話す茉優の表情に
塁は見惚れる。

「好きなんだな
 
 モデルの仕事?」

「はい
 
 好きじゃないと
 続けられません」

こうして

ドライブは終了・・・