桜りっぷ

『・・・
 これでいいのか?』

その言葉に私が頷くと
貴方は、私を求めた。

貴方の髪に、指先を通しながら
私は告げる。

「ルイ、愛してる」

愛してるなんて言葉

いつの頃からか、全く
重みを感じなくなった。

上っ面だけの言葉・・・

愛なんて薄っぺらで

桜の花びらのように
薄い色・・・

でも

でもね

ヒラヒラと舞い散る花びらは
一枚だとあんなにも薄いのに

満開の桜の木は、咲き乱れる
と怖いぐらいピンク色で
その存在に、魅了され
鳥肌が立ち、全身を震わせ
満たされる。

それは、愛も同じ・・・

私は、本当の愛を
この年になっても
まだ知らない。

洩れる吐息は
荒い息に代わる・・・

逞しい、貴方の腕の中
私は喘ぎ、燃え、果てる。