桜りっぷ

浬の手がペットボトルでは無く
女性の手に触れた。

無我夢中で、口づけを交わし
女性に覆い被さる、浬。

彼女のシャツのボタンを外し
見える黒い下着の上から
胸元を揉み、首筋に口づけた

唇は、鎖骨に触れ
胸元に触れる。

その時、女性の手から落ちた
ペットボトルが床に叩きつけ
られた音が響く。

コロコロと転がるペットボトル

手を止めて、起き上がる浬は
落ちたペットボトルを拾い
ベッドに腰をかけ、煙草を
取り出し銜えた。

「どうしたの?」

触れる、女の手・・・

料理をする時に邪魔になる
だろう指先・・・

中性洗剤で荒れた手に
クリームを塗る、藍の事を
思い出す。

煙草の煙を、長く吐いた後
浬は言う。