「アイツ
 もう、すかれてんじゃん」

何やら愉快に話している
三人の後姿を見つめる、浬

「あの、人見知りの
 マオがな」

「カイリ、どうする」

「何が?」

「マオが大きくなって
 セキさんを好きだって
 言い出したりしたら

 貴方ならどうする?」

娘と手を繋ぐ弦の後姿を
見つめる、浬。

「いいんじゃねえの
 マオが、幸せなら

 ルイ、お前はどうだ?」

「有り得ねえつうの
 無理無理、お前ほど
 俺は、寛大にはなれない

 チヨ
 パパのところにおいで」

塁は、駆け寄って、娘を
その腕に抱き上げて頬に
キスをする。