桜りっぷ

「俺の娘、マオと
 ルイの娘、チヨちゃん」

「マオちゃんにチヨちゃんか
 これは、また
 古風な名前だね」

「まあな
 
 それより、セキ
 どこか行っておきたい
 場所、あるか?」

「そうだな
 お前の祖父ちゃんの
 墓に連れて行ってよ
 
 出所の挨拶と
 お別れしておきたい」

「ああ、行こう」

弦の肩を強く、叩く浬。

微笑み合う二人

言葉はいらない。
 
弦は、追いかけっこをして
駆けてくる万桜を抱きしめる

「なあ
 マオちゃんにチヨちゃん
 
 名前、どんな字書くの
 おじちゃんに教えて?」

弦が二人に微笑んで
話しかけると二人は
戸惑いながらも微笑む。