桜りっぷ

その場に立ち上がる浬と塁は
横一列に並んで、弦に深く
頭を下げた。

「お勤め
 ご苦労さん」

「ご苦労さんです」

「何、お前ら改まってんの
 うまそうな煙草
 一本ちょうだい」

塁が煙草を差し出すと弦は
一本取って、口に銜えた。

その煙草に火をつける、浬。

「うまい」

三人は、拳を合わせる。

「アイちゃんは分かるけど
 あの綺麗な女と
 あのガキどもは何だ?」

「セキさん、お勤め
 ご苦労様でした」

頭を下げる、藍。

「アイちゃんまで止してよ」

「彼女は、私の親友でヒロ
 ルイさんの奥さん」

「ヒロ・・・?
 
 ちょっと待てよ
 ルイが結婚した相手って
 あの、カイリが昔・・・」