浬と塁は、顔を見合わせる。

浬は右腕を捲くり、主犯格の
少年の頬に右手を翳す。

刺青に動揺する、少年。

塁は、虐められていた男子の
肩に腕を回す。

「こいつ
 俺らのダチなんだけど
 ・・・・・・
 お前、何した?」

「今度、何かしたら
 
 知らねえぞ」

浬の低い声。

浬と塁の形相に、飛んで
逃げる少年達。

いじめられっ子の頭を
優しく撫でる浬。

「まあ
 あんま、頑張るなよ
 
 嫌なら逃げちまえ」

「ありがとうございました」

駆けて行く、少年。

「子供社会
 相変わらずシビアだね」

「ほらっ、帰ろうぜ」