「ルイが、極道をやめて
  
 アイ達の住む、この町で
 穏やかに暮らしたい
 一緒に付いて来てほしい

 そう言った時、すぐに
 はいと返事してた」
 
仕事のことや、家族のこと
よりも、塁との未来を
選んだ、私。

「この町での生活も楽しくて
 お祖母ちゃんになっても
 ここで、こうしていたい
 
 今は、そう思う」

「岸邊さん
 これからも
 どうぞ宜しくお願いします」

「こちらこそ
 高月さん、宜しくね」

アハハハハ。

二人の笑い声が静かな町に響く

その日の夕刻・・・

路上駐車された、白い
ライトバン。

「じゃあな、親父
 明日」

「おやっさん
 お疲れっす」

クラクション音の後
走り出す車。