「自信がなくて・・・

 仕事も、恋愛も、何もかも
 アイには敵わない

 息を切らしながら、やっと
 アイに追いついたと思っても
 
 アイは、軽い足どりで
 サッと私の前を駆けて行く

 そして、振り出しに戻って
 私はまた、アイを追いかける
 
 その繰り返し・・・」

塁は、灰皿に捨てた吸殻を
弄りながら、私の話を黙って
聞いてくれていた。

「アイは、幸せを手に入れて
 あんなにも綺麗に輝いてる

 それに比べて、私は
 騙されてる事も知らずに
 結婚なんて夢見て・・・
 
 私もアイのように幸せに
 なれるかも、なんて・・・

 馬鹿な私」

「したいのか、結婚?」

「女なら、誰でも
 付き合ってる人との結婚を
 考えると思う・・・」

「お前は、したいの?」