桜りっぷ

「それって、私のこと
 気になってたってこと?」

「ああ、まさか
 お前みたいな、いい女が
 俺みたいなヤクザな男の誘い
 に乗るとは思わなかった」

いい女・・・誰が?

「まあ、お前は、男と喧嘩して
 やけになって、俺なんかの
 誘いに乗ったんだろうけどな
 
 そうでもなきゃ釣れねえな」

そう言って、貴方は苦笑した

「私が、いい女?」

「ああ、あの広告の
 赤いドレス
 
 お前に似合って
 かっこよかった・・・
 
 かっこいいは
 誉め言葉にならねえか?

 ヒロ?」

『派手な広告が
 腹立つぐらい安っぽくて』

貴方の手が、涙で濡れた
私の頬に触れる。

貴方は、私を見ていてくれた

とっても、うれしい。