桜りっぷ

茉優の手を解き

隣に寝そべる塁

「ヒロ、こっち見て」

向き合って、二人は話す。

見つめ合う・・・

「女って、本当怖いな

 誰にも話したことないのに
 何で気づく

 しかも、お前とはあの日
 会ったばかり・・・」

茉優の涙が流れシーツを濡らす

茉優の頭を優しく撫でる、塁

「心配すんなよ
 
 好きだった・・・
 
 それだけだ」

過去形・・・

「アイは知らないの?」

「いやっ、一度だけ彼女を
 この腕に
 抱きしめたことがある」

「アイは、何て?」

『ごめん・・・
 忘れてくれ』

「どうして、そんな事
 言ったの

 じゃあ、アイには
 貴方の気持ち、ちゃんと
 伝わってないじゃない
 ・・・」