桜りっぷ

「じゃあ、聞くが
 この前の男
 
 お前、吹っ切れたの?」

「えっ?」

貴方の質問に、驚く私。

だって、私の中ではもう
その存在すら忘れてしまう程
どうでもいい過去の終わった
恋の話。

貴方に出会い、貴方に心を
囚われた私に、別れた彼の事
を思う気持ちなど

これっぽっちも無い

それなのに、貴方は
その事が一番気になるの?

「あの時、泣いてたろう
 まだ、好きなのか?」

「好きじゃないよ
 
 婚約者がいたくせに
 そんな大切な事を隠して
 私と付き合うような
 
 そんな男に
 未練なんてないよ

 あの時、泣いたのは
 貴方が・・・」

「俺が、何?」