桜りっぷ

「センの方も、傘下の店が
　今、大変らしいな
　このご時世、どこの組の
　もんも、ほんのわずかでも
　シマを広げること・・・
　必死だからな

　何かあれば、俺が出て行く
　そう、センに話して
　おいてくれ」

「はい、伝えます
　カイリの事は、この俺に
　任せてください」

事務所の当番をしている浬は
椅子に腰をかけ机に足を乗せて
眠っている。

そこへ、塁が来た。

「ルイさん
　どうしたんすか？」

「おお

　何だぁ、カイリ
　いい身分じゃねえの？」

「ルイ、お前、何のようだ？」

「何も・・・
　
　今日から、俺も当分
　お前と一緒に会長の送迎を
　任される事になった」

「どうして？」

「毎夜、酒に酔っては
　喧嘩三昧
　そんな、二日酔いの
　危ない男に、大事な会長の
　送り迎えは任せられない
　
　それが、執行部の判断だ」