「知ってるも、何も
 私は、遠い昔

 一夜だけ
 
 カイリに
 遊ばれた女だもの・・・」

茉優・・・

どうして、そんな事
わざわざ、彼に話すの?

お前も・・・

あの日、貴方は藍を見てた。

この距離は、ほんの少しだけ
息苦しい。

「そろそろ、行かなきゃ
 式に遅れるわ」

塁の傍から離れる茉優。

一歩、二歩進む足。

立ち止まり振り返る・・・

「そう言えば
 貴方とも

 たった、一夜だけ

 遊んだわね」

こんな言葉

言いたい訳じゃないのに。

「お前、遊ぶの好きなの?」