塁は、盛装した茉優の
姿を見つめる。

「ええ、そう
 親友の結婚式なの」

茉優は、塁の傍まで戻り
彼が手に持っている
ネクタイに触れる。

「貸して」

「できるのか?」

頷く、茉優。

握り締める手を開く、塁。

茉優は、塁の首に
ネクタイを回して
長さを調節しながら結ぶ。

至近距離に、貴方がいる。

ドキドキ・・・

掲げられた二つの看板を
思い出した、塁。

「そうだったな
 お前も、確か
 モデルだった」

お前も・・・

「貴方のダチって
 カイリ、それとも
 アイ、どっち?」

「カイリ

 お前
 知ってるのか?」