桜りっぷ

彼の腹部を至近距離で
掠めた銃弾。

そう、男の後ろから
撃ったのは内部抗争を
起した組員の中の一人。

男は、その場に腹部を
押さえながら倒れ
内部抗争の幕は閉じる。

その後、撃たれた男に
組長、傷ついた仲間は皆
病院へ担ぎ込まれ
戦場は、穏やかに
静まりかえる。

一服をしながら、荒れ果てた
事務所内を見つめる。

片付けに入る、組員達。

汚れた代紋を手に取り
掲げる、浬。

「先代、貴方も
 病院へ行かれた方が
 ・・・・」

かつての舎弟の声・・・

「怪我もしてねえのに
 病院はゴメンだぜ
 
 それより、ルイ
 お前は手当てが必要だ
 俺が連れて行く」