桜りっぷ

「カイリ、いい加減に・・・」

殴られている男の声・・・

「やめてくれぇ」

「はあ、聞こえねえな」

まだ、殴ることをやめない
浬の腕を掴む、塁。

「ほらっ、カイリ
 終わりだ、行くぞ」

浬を立たせ、その場に
血まみれになった男を残し
二人は、何も無かったように
ゆっくりと歩いて行く。

「カイリ
 あれは、ないぜ」

「何が?
 
 あ~、気分わりぃ」

「おい、やめろ
 ここでは、吐くな」
 
こうして、藍を失った浬は
夜の街に繰り出せば、必ず
問題を起し、容赦なく暴力を
振るい続けた。

そんな日々を過ごしていれば
自然と、浬の名は知れ渡る。