桜りっぷ

瞳を開ける、馨・・・

「組長」

「カオル、目を覚ましたか?」

ほっとする馨の父、保。

立ち上がる、馨

入江組組長・・・

「殺るなら・・・
 俺だけにしろ
 
 この組に、関係ねえ

 お前の気が済むなら 
 この命ぐらいくれてやる」

「アニキ・・・
 
 おまえの命だけでは
 俺の気は済まねえな
 
 この組は、貴方達
 二人で成り立ってる

 ルイさん、アンタの命から
 先に貰う」

銃口は、塁に向けられ
奴は発砲する。

響き渡す、銃声・・・

重なる、銃声・・・

その音と共に、飛び出した
弾丸は塁を庇う、浬の腰元
に当たる。