桜りっぷ

男の声に、闘争の火は
消えていく。

「戻るところなど
 お前達には無いぞ」

「戻るところならあるさ」

傷を負い立ち上がる
塁を支える、浬。

「お前達は、入江組の仲間だ
 
 この組を思う為に始めた事
 それが例え、間違った結果 
 を生んだとしても
 同じ間違いを二度と
 繰り返さないと誓うなら
 やり直すこと、俺達は許す

 それが、例えこの抗争の発端
 主犯格のお前でも・・・」

傷つけられた姿で許すという
塁に苦笑する、浬。

「だってよ
 
 もう、これ以上
 遣る意味あんのか?」

浬は、男を見つめた。

男は銃口を向けた手を
下ろす事は無い。

男は、大声で笑う・・・

「やり直し
 はあ、笑わせんなよ
 
 そんなもん
 
 極道の世界に
 通用するかよ

 つまんねえな

 そんなもん、クソ喰らえだ」

引き金を引く、男。