桜りっぷ

倒れ、瞳を閉じる馨の顔を
見つめる・・・

「忘れたな・・・
 
 話は、終わりだ
 
 手っ取り早く
 命貰うわ」

銃口を、入江組組長に向ける
男。

「何もできない
 堅気のアンタは
 組の最後を
 指銜えて、見てろや」

男の後方で、遣る瀬無い気持ち
で、組に向けて猛威を奮う男達
の姿を見つめる、浬の瞳・・・

かつての仲間を、浬は
寂しげに見つめる。

男の隣にいた、男は奮いあげた
手をゆっくりと下ろす。

「俺にはできない
 
 この組を潰す事、できない

 八代目、貴方が
 死んでいたこの組に息吹を
 与え、この組に以前の活気が
 戻り、ここまで築き上げた
 今の入江組を、その代紋を
 俺は守りたい

 今更だが、俺はできない」