時間だけが過ぎる・・・

待ち草臥れる人々・・・

式場と、披露宴の場所は
何とか、このまま待って
頂けるものの

当の本人が来ない場合は
どうしようもない。

浬・・・

早く・・・

藍の携帯電話が鳴り響く。

「もしもし、カイリ?

 うん、うん

 うん・・・」

藍の瞳から零れ落ちる
綺麗な涙・・・

藍の声を聞きながら、芳野も
藍の母、秘色もほっとする。

「カイリ

 お願い

 一秒でも早く

 帰って来て

 私、待ってるから」