トントン・・・

「スミレ、大丈夫?」

「本当、どうしようもない
 馬鹿な子・・・」

「あれ
 ねえ、イオリさんは?」

その頃、浬の父、庵は
新婦側の控え室で土下座
をして、頭を床につけ
謝っていた。

「うちのバカ息子が
 ご迷惑をおかけ致しまして
 誠に申し訳ございません
 
 ・・・勝手なお願いでは
 ございますが、もうしばらく
 息子の事を待ってやって
 頂きたい」

「タカツキさん、どうぞ
 立ってください
 頭を上げてください」

藍の父、伊吹の声・・・

「アイ・・・」

花嫁の登場に驚く控え室。

瞳を真赤に腫らした
ウェディングドレス姿の藍。

庵の傍に近づき、寄り添う。