桜りっぷ

「アニキ、電話
 うるさい・・・
 
 アニキ?」

上着を着て、誰かと話す
浬の形相に、厘は驚き
言葉が出ない。

「お前、誰だ?」

「俺の事、話しても
 アンタは知らねえよ

 カオル・・・

 九代目入江組組長の弟分
 だった男とだけ伝えて
 おきます
 
 もしもし、八代目
 よく聞けよ
 
 見せてやるよ

 アンタが捨てた組の
 成れの果てを

 一時間、時間をやる
 事務所に来てよ
 
 来なきゃ、ルイさん
 
 入江組長は殺す」

「おい、待てよ

 ルイに何かあった時は
 必ず、お前を殺る」

「堅気のアンタに何ができる」

「まあ、待ってろや」