桜りっぷ

「うん
 
 私と離れてる間
 
 カイリが
 寂しくないように」

浬の首もとにぶら下がる
ネックレス。

「じゃあ
 預かっててやる」

「失くさないでね」

「ああ」

手を繋ぎ、二人は歩く。

私達は、今日一日
別れて暮らす。

私は、ママの家に戻り
夜には、パパと茅野ママと
翠が、ここに泊まりに来る。

そして、私を家まで送り届けて
くれた浬とその家族は、祖父
の家に泊まる事になる。

別々の時間を、家族と
思い思いに過ごす。

別々の夜は、更けてゆく。

真夜中・・・

浬の携帯電話が鳴る。

貴方を誘う・・