桜りっぷ

藍を力強く、その胸に
抱き寄せて見つめる浬。

「カイリ・・・?」

藍の唇に触れる指先

藍は、にっこり微笑んだ。

「一緒に出かけるのに
 するの?」

「ああ、ダメ?」

「ダメじゃないけど
 誰かに見られるよ
 
 カイリの知ってる人とか
 ・・・・・・」

「誰もいない」

辺りには

本当に、誰もいない・・・

藍の唇が、浬の唇に触れる

離れる唇・・・

浬の口元が優しく微笑んだ。

「そうだ、これ」

藍は俯き、両手を首の後ろ
に回してネックレスを外す。

「いいのか?」