桜りっぷ

男は、二人・・・

「おい、お前
 どこ見て歩いてる
 
 アニキに、今すぐ
 詫びいれろや」

「はあ、知るかよ」

浬の耳元で、塁は言う。

「カイリ
 もう喧嘩は、勘弁
 お前、黙ってろ」

そして塁は、男達に適当に
話すのだった。

「ごめんねぇ
 こいつ酔ってるから
 許してやってよ
 
 ほらっ、行くぞ」

浬の脇を支え、歩き出す塁

「待てよ」

ふら付きながら歩く、浬の肩を
掴むのは、ぶつかった男の舎弟
と思われる男。

男は、浬の頬を思いっきり
打った。

「カイリ?」

「いてぇ」

唇の端に当てた、手の甲に
血がつく。