桜りっぷ

藍を抱きしめる、芳野。

「大丈夫だ
 彼なら必ず、ここへ来る
 お前の元へ

 もしも、来ない時は
 俺や伊吹に任せろ

 探し出して
 引っ張ってでも
 ここへ連れて来てやる」

「うん

 約束だよ」

「ああ、約束する」

二日前・・・深夜

玄関に置かれた、二人の荷物

真っ暗な室内

静かな時が流れる・・・

生まれたままの姿で
二人はベッドで抱き合う。

向き合う浬の肩に、藍は
細い左腕を回して、右手で
そっと、浬の左胸に触れる。

これ以上近づけない程
体を密着させて、藍は甘える

「藍、どうした?」

「明日、一緒にいたい」