桜りっぷ

これが、俺が成りたかった
姿なのか?

あんなにも憧れた

親父の背中。

極道・・・

藍を悲しませてまでも
手に入れたものに、今の俺は
何の魅力も感じる事は無く

会澤会長を送り迎えする
だけの代わり映えしない
毎日に息がつまり

兄貴分のくだらない話に
調子を合わせて相槌を打つ
自分自身に苛立つ・・・

あまりにも、くだらない・・・

つまんねぇ

つまんねぇんだよ

「・・・ねぇんだよ」

「何、カイリ?
 お前、飲みすぎ
 
 毎日毎日
 よく、こんなに酒が飲めるな
 
 ほらっ、しっかり立てよ
 迎えの車まで、後少しだ」

塁に、支えられながら歩く
浬の肩が、チンピラの男の肩
にぶつかった。