桜りっぷ

楽しい時間は、あっという間に
過ぎてしまった。

クラクションと共に、浬の
運転する車は、藍を乗せて
幸せの場所へと誘われる。

幸せの場所・・・

駅前のポスター・・・

浬の右腕が、藍の頬に触れる

私へと伸びる、浬の右腕。

止まない

ドキドキ・・・

珈琲の匂いと共に甦る。

首を左右に振る、茉優。

ダメダメ・・・

違う、私が好きなのは彼。

一晩だけ関係を持った
彼の事を想い、痛んだはず
の胸が・・・

ドキドキで止まらない。

15歳、中学三年生の夏

・・・

「ねえ、俺と遊ばない?」

その右腕は、確かに私に触れた