桜りっぷ

浬の右手に持つスプーンが
藍のアイスクリームに触れた

スプーンで、一口すくって
その右腕は、茉優の前で
止まる。

「えっ、私・・・
 私はいいよ?」

「いいから、食えよ
 溶けるだろう」

頬を真赤にさせて、茉優は
アイスクリームを食べた。

「おいしい」

「でしょう?」

藍の声に、浬は
悪戯に微笑んだ。

そのスプーンは、飲み終えた
浬のグラスの中・・・

藍のドキドキが

茉優に移る

・・・ドキドキ

ドキドキ・・・

茉優は、甘ったるい
ミックスジュースを
一気に飲み干した。