トンネルに入ってきたモノは、 どんどん僕の方へ近づいてくる。 あれは……何だ? 『要』 笑い声に混じって、 姉さんが僕を呼ぶ声がする。 何かは、もうすぐ近くにまで来ている。 それなのに、 それが何なのか、 僕には分からない。 でも何処かで見た。 あの目……。 僕とその目の視線が交わった。 『要、あのね――』 姉さんが何か言っている。 だけど、笑い声が大きすぎて聞こえない。