守護まにゅある!

不意に部屋の空気が変わった。

まるで真冬に窓を開け放ったようなその寒さは、鈴音に不安を与える。

焔は眉間にシワを寄せながらゆっくりと口を開いた。

「どうやらやっこさんがお怒りのようだね オルハ! アル!準備は?」

「バッチリだ! 俺様頑張っちゃうよ」

「私も大丈夫です いつでもどうぞ」

奥から出てきた二人はそれぞれ武器を片手に臨戦態勢をとった。

「それじゃ、引っ張りだしちゃうよ!鈴音、避けるなよっ」

焔は大鎌を喚びだし、鈴音に向けて振りかざした。

「え、きゃあああ!!」

『大丈夫だ、貴様には当たらぬ故』

松月はそう言うものの、本能的に頭を隠すようにしゃがみ込んで大鎌を受けるが、痛みも衝撃もない。

・・あれ、なんで?

鈴音がそっと顔を上げてみると、目を疑った。

焔の大鎌には先程までこの場にいなかった男が刺さっていたから。

『なっなんなんだお前はあああ!!!』

「ただの本屋の店長よ アル、締め上げて!」

「かしこまりました」

重たい音をたてながら幾重の鎖は男に巻き付いた。