守護まにゅある!

「こらオルハ 人を指で指してはいけないと何度言ったら分かるのですか?」

「ってぇ!! おま、ちょっとは手加減って言うのを知れよ!!」

アルの容赦ないチョップを見事に頭に食らったオルハは、叩かれた頭をおさえながら涙目で訴えるが全く相手にしてもらえていない。

まぁ、日常茶飯事なので気にしてないが。

「そんなことより。 あの馬鹿の言うとおり、貴女には何かいるようなのですが心当たりは?」

「・・、最近 誰かに守られてる気がするくらいなんですが」

「! それよ、あ・・アンタ名前聞いてなかったね あたしは焔よ」

「あ、ハイ 私、鈴音っていいます」

鈴音<スズネ>は名前を告げた後、一呼吸置いて口を開いた。

「最近、家で勉強してる時にうたた寝すると誰かが起こしてくれるんです」

「それって親ってヤツじゃねーの?」

オルハが首を傾げながらそう聞くと、鈴音は首を横に振った。

「いえ、私一人部屋なのでそれはありえないんです 実際肩叩かれた直後に後ろ見ても誰もいませんでした」

「他に変わったことはありませんか? それだけではこの店は見えないはずですから」

「・・あの、これ見てください」

鈴音がマフラーを取り首を指す。
首を絞めたような、赤い手形がはっきりと見えている。

これはとんでもないものが来たわね・・・

焔は鈴音に近づくと、首を覗き込んだ。

「・・酷いわ 今すぐ除去しないと」

「・・っ、見えるんですか!? これ友人に見せても見えないって言われて・・・良かった・・・!」

「相手も馬鹿ではない、ということですね 特殊な者にしか見えないということですか」

「まぁ、俺らには隠せないけどな!」