床に散らばるガラスを踏みしめながら店内に入る。
中は洋風になっており、本屋という印象があまりない。
本は綺麗に整頓されてある・・・のだが。
「あの、雑誌とかって何処にあるんですか?」
女がそう尋ねると焔はああ、と呟いて棚の本を一冊手にとった。
まるで洋書のようなハードカバーの本をパラパラとめくり、あるページで止めた。
「・・この本は、獣が封じられているのよ」
「・・・は?」
ほら、と見せられたそのページにはライオンの頭に馬の体で鷲のような翼が生えた獣が悶え、苦しむ絵が描いてあった。
その獣の名は“ヴェルディ"。
「へ、へえー そうなんですか」
「信じなくてもいいわよ アンタには関係ないし」
焔はそう言いながら本を元に戻すと、腕を組んで笑った。
「さて。 ここが見えてるってことは何かある訳だ 言ってみな」
「・・何もないです」
「嘘つけ! 俺様にはちゃーんと見えてるんだからな」
先程壊したガラスの場所に新聞紙を貼って終わったらしいオルハが、余った新聞紙を丸めて肩を叩きながら指を指していた。
中は洋風になっており、本屋という印象があまりない。
本は綺麗に整頓されてある・・・のだが。
「あの、雑誌とかって何処にあるんですか?」
女がそう尋ねると焔はああ、と呟いて棚の本を一冊手にとった。
まるで洋書のようなハードカバーの本をパラパラとめくり、あるページで止めた。
「・・この本は、獣が封じられているのよ」
「・・・は?」
ほら、と見せられたそのページにはライオンの頭に馬の体で鷲のような翼が生えた獣が悶え、苦しむ絵が描いてあった。
その獣の名は“ヴェルディ"。
「へ、へえー そうなんですか」
「信じなくてもいいわよ アンタには関係ないし」
焔はそう言いながら本を元に戻すと、腕を組んで笑った。
「さて。 ここが見えてるってことは何かある訳だ 言ってみな」
「・・何もないです」
「嘘つけ! 俺様にはちゃーんと見えてるんだからな」
先程壊したガラスの場所に新聞紙を貼って終わったらしいオルハが、余った新聞紙を丸めて肩を叩きながら指を指していた。


