守護まにゅある!

「っ・・・?! またか!!」

「え、どうした 右手血だらけだぞ?!!」

止まることない傷を抑えながら立ち上がり、周りを見渡す。

何処だ、何処にいやがる!!

見渡しても何処にも姿は見えず、捜していると。

ココヨ、マサユキ

「うっうわあぁああ!!!」

いきなり足首を力強く握られた。

下を見れば、口元を歪ませながらこちらを見てくる女。

「こっコイツ!! なぁ分かるだろ弥彦!!!」

女を指差しながら叫ぶように言うと、弥彦はケラケラと笑いながら炭酸飲料を飲んだ。

「何言ってんだよ なにもいねぇじゃん」

「・・・は、」

それはこっちの台詞だよ
なんで見えてねぇんだよ
こんなに近くにいるじゃないか!!!

マサユキ・・ワタシハアナタニシカミエナイワ
フ、フ、フフフフフフフ

女がベンチの下から這って出てくると、ゆっくりと立ち上がり、近付いてきた。

大丈夫、落ち着け、逃げられる。

そうだ、いつも逃げてたんだ
大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫!!!

すくんだ足を無理矢理動かし、弥彦を置いて走り出す。

弥彦にはあとで謝っておこう。