「じゃあ、俺も・・・帰るんで」
「あ、ちょっと待って! これ買って!!」
「・・・は?」
呼び止められ、焔から手渡されたのは鈍色の本。
タイトルも何も書いてない本を買わされそうな雅之は眉間にシワを寄せながら口を開いた。
「・・・悪徳商法?」
「そう思うなら買わなくてもいい 後悔するのはあたしじゃないし」
ここの人はどうしてこうも捻くれているのだろうか。
本を受け取って表紙を開く。
パラパラとめくってみると中は皇帝や逆さに吊された男など、タロットカードのような絵が一枚一枚今にも出てきそうなくらい丁寧に描かれていた。
そんな中、ふとあるページが目に止まる。
「・・・ん?これは」
あるページだけ絵がない。
そこに書かれた名前は
《death》
死神だ。
「あ、このページは諸事情でいないの 使い方によってはあんたの身を守れる どう?買ってみない」
「・・値段による」
身を守れるというのはよく分からないが、買って損はないだろう。
本はあまり好きではないのだが、精密に描かれた絵は不思議と見ていて飽きない。
「あ、ちょっと待って! これ買って!!」
「・・・は?」
呼び止められ、焔から手渡されたのは鈍色の本。
タイトルも何も書いてない本を買わされそうな雅之は眉間にシワを寄せながら口を開いた。
「・・・悪徳商法?」
「そう思うなら買わなくてもいい 後悔するのはあたしじゃないし」
ここの人はどうしてこうも捻くれているのだろうか。
本を受け取って表紙を開く。
パラパラとめくってみると中は皇帝や逆さに吊された男など、タロットカードのような絵が一枚一枚今にも出てきそうなくらい丁寧に描かれていた。
そんな中、ふとあるページが目に止まる。
「・・・ん?これは」
あるページだけ絵がない。
そこに書かれた名前は
《death》
死神だ。
「あ、このページは諸事情でいないの 使い方によってはあんたの身を守れる どう?買ってみない」
「・・値段による」
身を守れるというのはよく分からないが、買って損はないだろう。
本はあまり好きではないのだが、精密に描かれた絵は不思議と見ていて飽きない。


