守護まにゅある！

「あら、アンタ大変そうね 重くない？」

「はっ・・・？」

高校生くらいの女の子が背伸びをしてまじまじと雅之の顔を覗き込む。

たじたじになっていると、犬の鳴き声が店内に響いた。

『グルル・・・！』

「あっオルハ！ 大丈夫よ あたし年下には興味ないから」

そういいながら犬・・オルハの頭を撫でると、オルハは頷きながら一歩下がった。

すっげ、頭いいなあの犬・・・

「・・一応言っておきますが、オルハは犬ではなく狼ですから」

「え？ あ、そうなんですか」

なんで狼がこんなとこに・・・

色々疑問な所があるが、何よりもやらなければいけないのはあの女から逃げること。

「逃げる？ 何から？」

「・・っ？！ ちょ、なんで思ったこと分かったの！！」

「顔に書いてあるんだよ ・・さてアルヴィ」

「はいはい。 ちょっと失礼」

白髪の男、アルヴィの足元黒い水溜まりのようなものが広がった。

水溜まりのようなものが波打った途端、激しい音をたてながら無数の鎖が我先にと出てきた。

「うっうわぁあ！！ ・・・あれ、」

鎖が襲い掛かろうとしてきたので腰を抜かしながら頭を抱え込むが、何も衝撃はない。

ゆっくりと顔を上げると、鎖は背中にすべて回っていた。

ヤメテヤメテヤメテイタイイタイイタイネェタスケテマサユキ！！

「焔、これはただの地縛霊とかではなさそうですよ」

「・・マジで？」

女の子、焔は嫌そうな顔をしながら鎖を外そうとしている女に近づく。