「あたし、バカだ」
残念なほど、後悔はすぐに襲ってきた。
あたしは小学生か、って。
完璧、八つ当たりだ。
「恥ずかしすぎる」
その場についしゃがみ込んでしまった。
元はと言えばきちんと授業を受けてこなかったあたしが悪いわけで。
澤木さんは何も悪く..
「ううん、澤木さんだって言ったもん!」
いくらあたしがバカでもあんな言い方しなくても..いいじゃない。
でもあたしもあそこまで言ったのは酷かったかな。
しゃがんだまま、一度振り返ってみる。
でも戻る気なんてなれなかった。
だって今は素直に謝れそうにもない。
「はぁ」
ため息と共にミーンミーンと鳴いた蝉の声が妙にさびしく聞こえた。


