「おい!!橘!!」
ごめんね、先生。
お説教なら明日の朝聞きますから。
心の中で謝りながら全力疾走で昇降口に向かう。
上履きをはきかえてローファーを地面に叩くように落とす。
上品に置いてる時間はないの。
急いでるときに限ってなかなか履けない靴にイライラしてしまう。
「よし」
ばんっとロッカーを閉めた。
まだ誰も出てこない学校に一度視線を移してから前に向きなおり走り出す。
校門を出てから走って数分。
そこにあたしの目的の場所がある。
いつものあたしの寄り場所。
っていうか無理矢理あたしがいるだけなんだけど。
でもそれでもそこに住んでる主は何も言わずに置いてくれる。
といっても諦めたんだろうけど。
「澤木さん!!」