澤木さんのこと。


ミーンミーンと蝉がせわしなく鳴き続けている。

夏の日差しは容赦なく地面を照らしている。

屋根とテーブルのついている椅子に座っているあたし達はかろうじてその日差しを避けられてるけど

暑さには勝てない。


あたしも、澤木さんも汗びっしょりだ。


「分かった、分かったよ」


何が分かったのか分からないけど、澤木さんは両手をあげて降参サインを出した。


「出来るか分かんねぇけど..」


これって・・もしかして・・

そう思っていたあたしに



「俺が勉強みてやるよ」

あ・・・

・・そっちですか

期待していた言葉に少しがっくりきたけど。

でも今はこれでいい気もする。